無料で空き家が手に入る?物件の探し方や注意点を解説
近年、「無料で空き家を差し上げます」という広告を見かけることが増えてきました。全国の空き家率は13.6%に達し、管理や維持が難しい所有者が増加している現状があります。この記事では、無料空き家の実態や必要な費用、探し方、注意点について解説します。
無料の空き家は本当に無料なの?
0円物件や無料空き家と呼ばれる物件が全国各地で話題となっています。所有者の高齢化や維持管理の負担から、無償でも譲渡したいという物件が増加している背景を理解することが重要です。
0円物件の定義と実態
0円物件とは、文字通り無償で譲渡される空き家のことを指します。建物を所有していると固定資産税や管理費などの金銭的負担が発生するため、特に遠方に住む所有者にとって大きな課題となっています。
2015年の空き家対策特別措置法の施行により、所有者の管理責任が明確化され、適切な管理を怠ると勧告や命令の対象となる可能性も出てきました。このような背景から、固定資産税の負担軽減や管理義務からの解放を望む所有者が、物件を無償譲渡するケースが増えています。
無料で空き家を譲渡したい所有者の本音
空き家の所有者が無償譲渡を選択する理由は様々です。
- 高齢化により管理が困難になったケース
- 遠方での居住により定期的な見回りや清掃が難しいケース
- 建物の老朽化が進み修繕費用の捻出が困難なケース
また、特定空き家に指定されることを避けたい意図もあります。なぜなら、特定空き家へ指定されると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税負担が大きく増加する可能性があるからです。
全国の空き家率と現状
総務省の住宅・土地統計調査によると、2018年時点での全国の空き家率は13.6%、総数にして約849万戸に上ります。特に都市部においても、世田谷区・大田区・足立区などでは各区で4万戸を超える空き家が存在しており、空き家問題は地方だけでなく都市部でも深刻な課題となっています。
無料の空き家を手に入れるために必要な費用
無料空き家の取得には、購入費用こそかかりませんが、実際には様々な費用負担が発生します。これらの費用を事前に把握しておくことが重要です。
基本的にかかる税金と種類
無償譲渡される空き家を取得する際には、以下の税金が課されます。
贈与税 | 個人からの贈与によって取得した財産に課税され、相続税評価額をもとに評価額が算出されます。評価額が110万円(基礎控除)を超えた額が課税対象となります。 |
不動産取得税 | 土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などの不動産取得時に課税され、有償・無償にかかわらず発生します。原則として、固定資産課税台帳に登録された固定資産の評価額を課税標準とし、2024年3月31日までに取得した場合は税率3%で計算されます。 さらに、所有権移転登記の際には登録免許税が必要となり、無償譲渡は「贈与」とみなされるため、固定資産課税台帳に記載された価格の2%が課されます。 |
修繕やリフォームにかかる費用の目安
無償譲渡される物件の多くは、老朽化が進んでいたり、設備が古かったりするケースがほとんどです。和式トイレの洋式化や水回りの改修・耐震補強工事など、実際に居住するためには相応の改修費用が必要となります。
リフォームの規模によっては、数百万円から1000万円を超える費用が発生する可能性もあります。建物の状態によっては、解体して建て替えた方が経済的に良い選択となることもあるでしょう。
管理費用の実態
空き家を所有すると定期的な管理費用も発生します。庭木の剪定や除草・建物の換気・清掃・防犯対策など、維持管理には継続的な支出が必要です。
空き家管理サービスを利用する場合は、月額数千円から数万円の費用がかかります。また、火災保険への加入も必要不可欠で、建物の規模や補償内容によって保険料が決定されます。
無料空き家を探すための方法
無料空き家の情報は、一般的な不動産サイトには掲載されていませんが、いくつかの方法で探すことが可能です。効率的な物件探しのポイントを見ていきましょう。
空き家バンクの活用方法
空き家バンクは、自治体が運営する空き家情報の提供システムです。誰でも閲覧可能で、ウェブサイトから各地域の空き家情報を確認できます。
無料物件や格安物件の情報も掲載されており、地域の移住支援制度や補助金情報なども併せて確認できるメリットがあります。空き家バンクには、所有者から直接情報が寄せられるケースも多いです。そのため、一般の不動産市場には出回らない物件情報を得られるかもしれません。
自治体への相談のポイント
移住希望先の自治体には、空き家対策や移住支援の専門部署が設置されています。これらの部署に直接相談することで、空き家バンクに掲載されていない物件情報を得られることもあるでしょう。
自治体によっては、空き家の改修費用や移住者向けの補助金制度を設けているケースもあり、具体的な支援内容について相談することができます。対面での相談により、地域の実情や生活環境についても詳しい情報を得ることが可能です。
地域のネットワークを活用した探し方
地域に住む知人や親戚を通じて空き家情報を得られることもあります。特に地方では、人づてに空き家物件が流通するケースが多いです。地域のコミュニティに参加することで、口コミでしか得られない物件情報にアクセスできる可能性が広がります。
また、地域の不動産業者に相談するのも一つの方法です。空き家所有者から相談を受けているケースもあり、専門家としての視点からアドバイスを得ることができます。
無料空き家を取得する際の注意点
無料空き家の取得には、慎重な判断と適切な手続きが必要です。物件の状態確認から契約までの重要なポイントを確認しましょう。
物件の現地調査で確認すべきこと
無料空き家の現地調査では、建物の劣化状況を詳細に確認することが重要です。例えば、雨漏り・外壁の損傷・基礎部分の状態・シロアリ被害の有無などをチェックします。設備の老朽化具合も重要なポイントです。
給排水管や電気設備、浄化槽などの状態によっては、大規模な修繕が必要となる可能性があります。建物の基本構造に問題がないか、耐震性は十分かなど、事前に専門家へ調査を依頼するのがおすすめです。
契約時の重要ポイント
無料空き家の譲渡契約では、専門家のサポートを受けることが望ましいです。不動産の無償譲渡は「贈与」として扱われ、売買契約とは異なる手続きが必要となります。
贈与契約書の作成や所有権移転登記などの法的手続きは、司法書士に依頼することで確実に進めることができます。契約前には、固定資産税の未納がないか、建物に抵当権が設定されていないかなど、権利関係を十分に確認しましょう。
取得後のリスク管理
空き家を取得した後は、適切な管理が求められます。建物の定期的な点検や修繕、火災保険への加入など、所有者としての責任を果たす必要があります。
特に、近隣との関係性に配慮し、庭木の管理や建物の外観維持には注意を払いましょう。空き家の活用計画を具体的に立て、必要な改修工事やメンテナンスの時期と費用を見積もっておくことも重要です。
まとめ
0円物件や無料空き家は、一見コストがかからないように思えますが、取得時の税金や修繕費用、その後の維持管理費用など、実際にはさまざまな費用負担が発生します。空き家バンクの活用や自治体への相談、地域のネットワークを通じた情報収集など、物件探しには複数の方法があります。物件の選定時には、建物の状態確認を慎重に行い、契約時には専門家のサポートを受けることが重要です。
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