
断熱リフォームで得られる費用対効果とは?リフォームの種類や注意点を解説

日々生活している中で、冬の寒さや夏の暑さに悩まされていませんか?国内では、住宅の多くに断熱機能の改善余地があるというのが現状です。住宅の断熱性能が不十分だと、快適な室内環境を保つことが難しく、健康面や光熱費にも影響します。この記事では、断熱リフォームの効果やタイプ・注意点を解説します。
断熱リフォームで得られる3つの効果

住宅の断熱性能を高めることは、単なる快適性向上だけではなく、生活の質全体を改善する重要な要素です。ここでは断熱リフォームがもたらす主な3つの効果について紹介します。
冬暖かく夏涼しい 家の中の温度差を解消
断熱リフォームの最も実感しやすい効果は、季節を問わず室内が快適な温度に保たれることです。高性能な断熱材を導入すると、冬場は室内の熱が外に逃げにくくなり、夏場は外部の熱が室内に入りにくくなります。
ある調査では、断熱性能を向上させた住宅で室温の変化を測定したところ、断熱材なしの住宅と比較して大きな差が見られました。天井と床に断熱材を施工し窓に内窓を取り付けた住宅では室温が4℃以上上昇し、さらに壁の断熱と気流止め対策を施した住宅では6℃以上の温度上昇が確認されています。こうした対策により家全体の温度ムラが解消され、快適な住環境が実現できます。
光熱費を大幅に削減できる省エネ効果
断熱性能を高めることで、冷暖房の効率が大幅に向上します。住宅の断熱性が低いと、室内の温度を維持するために冷暖房機器をより強く、長時間使用しなければいけません。これは単に家計の負担軽減だけでなく、エネルギー消費量の削減による環境負荷の軽減にもつながります。長期的に見れば、断熱リフォームへの投資は光熱費削減という形で回収できる可能性が高いのです。
結露やカビの発生を防ぎ健康的な住環境に
断熱性能の低い住宅では、室内と室外の温度差が大きいために壁や窓に結露が発生しやすくなります。この結露はカビの発生原因となり、住環境の悪化やアレルギー症状を引き起こす可能性も高いです。また、冬場に暖かいリビングから寒い浴室や脱衣所へ移動すると、急激な温度変化に体が適応できず、血圧の急上昇・急降下を引き起こす「ヒートショック」の危険性が高まります。
同様に夏場は室内の熱がこもりやすく、高齢者を中心に熱中症リスクが上昇します。断熱リフォームによって住宅内の温度環境を均一に保つことで、こうした健康リスクを大幅に減らすことが可能です。
断熱リフォームの種類と方法

断熱リフォームには様々な手法があり、住宅の状況や予算に応じて最適な方法を選択することが重要です。ここでは主要な断熱リフォームの方法とその特徴を解説します。
窓の断熱対策 内窓設置とガラス交換
住宅の熱損失は窓からが最も多いとされており、窓の断熱対策は費用対効果が高い方法です。窓の断熱リフォームには、以下の方法があります。
- 既存の窓の内側に新たな窓を設置する「内窓(インナーサッシ)」の追加
- 単層ガラスを複層ガラスや断熱性能の高いLow-E複層ガラスに交換する方法
- 窓枠ごと交換する方法
特に内窓の設置は、工事が比較的簡単で工期も短いため人気です。工事期間は通常1〜2日で完了するため、生活への影響も最小限に抑えられます。窓の断熱対策は結露防止や防音効果も期待できるため、多くのメリットがあります。
壁の断熱リフォーム工法と特徴
壁の断熱改修には主に二つの方法があります。
- 壁の内側から断熱材を充填する「内断熱」
- 建物の外側から断熱材で覆う「外断熱」
内断熱は壁を一度剥がして柱と柱の間に断熱材を入れる方法で、敷地面積を広げずに施工が可能です。ただし、外断熱と比べて断熱効果がやや劣ります。
一方、外断熱は建物全体を断熱材で包み込むように施工するため断熱効果が高いのがメリットとなります。壁の厚みが増す可能性があるので、断熱効果と予算のバランスを考慮して、適切な工法を選ぶことが大切です。
床下断熱で足元から快適に
床からの冷気は冬場の不快感の大きな要因で、床下断熱には主に二つの方法があります。
- 床材をそのままに床下から断熱材を設置する方法
- 床材を剥がして断熱材を入れる方法
床下点検口から作業できる場合は、床材を剥がさずに床下から断熱材を貼り付けることが可能で、工期も1〜2日程度と短期間で済みます。一方、床材の劣化が進んでいる場合などは、床を剥がして断熱材を設置する方法が選ばれますが、工期は3〜6日ほどかかります。
足元の冷えが特に気になる場合は、断熱材の設置と合わせて床暖房の導入も効果的な選択肢です。これにより足元からじんわりと暖かさを感じられる快適な住環境が実現できます。
天井・屋根裏の断熱対策方法
夏場に2階が極端に暑くなる住宅では、天井や屋根裏の断熱対策が効果的です。天井断熱には、以下の方法があります。
- 断熱材を天井の骨組みの間に敷き詰める方法
- セルローズファイバーなどの断熱材を吹き込む方法
特に吹き込み工法は、天井裏の梁などの障害物があっても施工がしやすい点がメリットです。天井裏に十分なスペースがあり人が入れる場合は、天井材を剥がさずに施工できるため費用を抑えられますが、天井を解体する必要がある場合は費用が増加することもあります。
玄関ドアの断熱リフォーム
住宅の出入口である玄関ドアも、断熱対策の重要なポイントです。断熱性の低い玄関ドアは冷気の侵入口となり、家全体の温度環境に影響します。玄関の断熱対策としては、高断熱仕様のドアへの交換や風除室(玄関フード)の設置などが効果的です。
特に寒冷地では、玄関と室内の間に緩衝空間を作る風除室の設置が推奨されています。これにより外気が直接室内に入るのを防ぎ、ヒートショックのリスク低減にも役立ちます。玄関ドアの断熱リフォームは、住宅全体の気密性を高め、エネルギー効率の向上につながる重要な対策の一つです。
断熱リフォームの選び方と注意点

断熱リフォームを成功させるには、適切な工法の選択と潜在的な問題点の理解が欠かせません。ここでは重要な選択ポイントと注意すべき事項を解説します。
内断熱と外断熱の違いと選び方
断熱リフォームの主要な工法である「内断熱」と「外断熱」にはそれぞれ特徴があります。
内断熱 | 柱や梁の間に断熱材を入れる方法です。工事費用が比較的抑えられ、居住面積を維持できるメリットがあります。しかし、柱や梁の部分で断熱材が途切れる「熱橋」が生じやすく、コンセントや配管周りに結露が発生するリスクもあります。 |
外断熱 | 建物全体を断熱材で包み込むように施工するため、断熱効果が高い点がメリットです。ただし、壁厚が増すため外観が変わり、費用も高くなる傾向があります。 |
住宅の構造・予算・期待する断熱効果を総合的に考慮して、どちらの工法がより適しているか判断することが重要です。どちらの工法も施工経験が豊富な業者に依頼することで、より確実な効果を得られるでしょう。
断熱材の種類とそれぞれの特徴
断熱リフォームに使用される断熱材には様々な種類があります。
グラスウール | 軽量で価格も手頃ですが湿気に弱い特性があります |
硬質ウレタンフォーム | 断熱性能が高く耐久性に優れていますが、やや高価です |
セルローズファイバー | 主に古紙を原料とした環境に優しい素材で、防音性や調湿性も備えています |
各メーカーから特徴的な製品も販売されており、例えばリクシルの「インプラス」シリーズは窓の断熱改修に、旭化成建材の「ネオマ断熱ボード」は壁の断熱に適しています。YKK APの「プラマードU」は施工が簡単で、マンションの専有部分にも対応可能です。住宅の状況や断熱の目的に合わせて、適切な断熱材を選択することが効果的なリフォームの鍵となります。
施工業者の選び方と見積もりのポイント
断熱リフォームの成否は、適切な施工業者の選択にかかっています。業者選びでは、断熱リフォームの実績や施工事例を確認することが重要です。複数の業者から見積もりを取得し、提案内容や費用を比較検討しましょう。
単に価格だけでなく、断熱診断の有無・使用する断熱材の種類や性能・施工方法の詳細・アフターフォロー体制などを確認することが大切です。優良な業者は、住宅全体の断熱性能を考慮した総合的な提案を行い、補助金申請のサポートも提供してくれます。
見積書では、断熱材の種類や数量・施工範囲が明確に記載されているか確認しましょう。断熱リフォーム後の生活変化やメンテナンス方法についての説明があるかどうかも、選択の基準となります。
【まとめ】 断熱リフォームで快適な住まいを手に入れよう
断熱リフォームは単なる住宅の改修ではなく、生活の質を向上させる重要な投資です。適切な断熱対策によって年間を通じて快適な室内環境を実現できるだけでなく、冷暖房効率の向上による光熱費削減や、健康リスクの軽減など様々なメリットがあります。
住宅の状況に応じて窓や壁・床・天井など最適な断熱方法を選択し、補助金や減税制度も活用しながら計画的に進めることが大切です。専門知識を持った信頼できる業者選びも成功のカギとなります。
株式会社関西工務店では、お客様の住まいの状態を診断し、ライフスタイルや予算に合わせた最適な断熱リフォームプランをご提案しています。奈良県を中心に大阪府南部、京都府南部など関西一円を営業エリアとしておりますので、ぜひご相談ください。
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