
玄関ドアを引き戸にリフォームするなら?メリットや費用、工法まで解説

玄関のドアを引き戸に替えるリフォームは、見た目の変化だけでなく、断熱性や防犯性、使い勝手の向上など、住まいの快適さにも関わる工事です。近年は性能の高い引き戸も増えており、洋風住宅にもマッチするデザインが登場しています。
ただし、費用や工法、製品の選び方など、事前に知っておくべきポイントも多いため注意が必要です。この記事では、玄関の引き戸リフォームのメリットや費用、注意点などについて解説します。
玄関の引き戸リフォームで得られるメリットとは

玄関のドアを引き戸に変更することで、見た目や開閉のしやすさだけでなく、性能面にも様々な利点があります。最近では、機能性を備えた製品が多く、住宅の快適性や安全性の向上につながる選択肢となっています。
断熱・遮熱性に優れた玄関引き戸で快適な室内環境に
築年数の経過した住宅では、玄関からの冷気や熱気の侵入が気になるケースがあります。昔の引き戸は単板ガラスが使われていることが多く、断熱効果が低いため、冬は室内が冷え込みやすく、夏は熱がこもりやすくなっていました。
現在では、複層ガラスやLow-E複層ガラスを採用した製品が増えており、外気の影響を抑える性能が向上しています。こうした高性能ガラスを採用することで、室温を保ちやすくなり、結露の発生も軽減されます。
寒さに強い複層ガラスで冬もあたたかく
複層ガラスは、ガラスとガラスの間に空気層を設けた構造です。この層が断熱の役割を果たし、外からの冷気が室内に伝わりにくくなります。単板ガラスと比べて、室内の暖房効率が高まりやすく、冬場の冷え込みを感じにくくなります。
遮熱性能の高いガラスで夏の暑さも軽減
夏の強い日差しによる室温の上昇を抑えたい場合には、Low-E複層ガラスの遮熱タイプがおすすめです。このガラスは、太陽の熱や紫外線を反射し、屋内への侵入を防ぐ性質があります。冷房効率を高めることで、玄関付近の蒸し暑さや不快感を軽減できます。
鍵の機能を強化して防犯性を高める
引き戸はガラス部分が多いため、防犯性に不安を感じる方もいるかもしれません。しかし、現在の製品では、ピッキング対策が施されたディンプルキーや、鍵を2〜3箇所に設置する仕様が一般的になっています。室内側のツマミが取り外せるサムターンや、鍵が鎌状になっているロック機構なども導入されているため、こじ開けへの対策も強化されています。
玄関引き戸用の網戸で自然な通風を確保
引き戸の魅力のひとつが、開け幅を自在に調整できることです。網戸を取り付けることで、外気を取り込みながらも虫や視線を遮ることが可能になります。YKKAPの一部製品には、格子付きの網戸も用意されており、夜間の利用にも配慮されています。通風を意識した住まいには、引き戸+網戸の組み合わせもおすすめです。
木目調カラーやスリットデザインで外観を美しく演出
引き戸といえば和風のイメージが強いかもしれませんが、最近では洋風住宅にも合うスタイリッシュなデザインが多数登場しています。木製のような風合いを再現した木目調カラーや、バーハンドルなどのモダンな取手を採用したモデルも豊富です。外壁や軒天の色合いと調和させながら、個性のある玄関に仕上げることができます。
玄関ドアの引き戸リフォームにかかる費用相場

引き戸へのリフォームを考える際、気になるのが費用です。実際には本体価格だけでなく、工事費用やオプションの有無によって総額が変動します。
本体・工事費を含めた価格帯を知っておこう
玄関引き戸リフォームにかかる費用は、平均で30〜50万円程度です。この金額は、製品のグレードやサイズ、工法の違い、オプション機能などにより上下します。
引き戸本体の価格は約13〜35万円、工事費用は6〜30万円程度が目安です。なお、間口を広げるなど構造に変更を加える場合には、さらに費用がかかることがあります。
玄関リフォームをお得にする方法
費用を抑えるには、いくつかの方法があります。中でも注目したいのが、補助金制度の活用です。たとえば「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、玄関ドアの断熱改修を対象に申請すれば、工事費の一部が補助されます。
この制度では、戸建住宅を対象に最大120万円までの補助が受けられますが、引き戸だけでは対象外となることもあります。制度を利用するためには、窓など他の部分もあわせて改修する必要があるため、事前に条件を確認しておきましょう。
国や自治体の補助金制度を活用しよう
「こどもエコすまい支援事業」では、一定の省エネ性能を持つ玄関ドアを使用し、対象となるリフォーム工事を行った場合に補助を受けられることがあります。たとえば、ZEHレベルの断熱性能を持つ玄関ドアを設置した場合、ドアの大きさなどの条件によって最大45,000円の補助が適用されます。なお、この制度を利用するためには、補助対象となる工事全体で合計5万円以上の補助額が必要です。
※この事業は予算に限りがあるため、受付期間内であっても予算上限に達した時点で終了する可能性があります。制度の詳細や最新の募集状況は、公式サイトで随時確認することが重要です。
引き戸玄関へのリフォーム工法の種類

玄関を引き戸に交換する際には、主に2つの施工方法があり、住宅の状況や希望に応じて選ばれています。
既存の枠にかぶせて施工するカバー工法
カバー工法は、既存の玄関枠の上に新しい枠を設置し、その上に新しい引き戸を取り付ける方法です。この工法では壁や床を壊さずに済むため、施工の手間が少なく、1日で工事が完了するケースもあります。費用面でも比較的抑えやすく、人気の高い施工法です。工事中の騒音やホコリも抑えられるため、ご近所への配慮という面でも利点があります。
壁や床の解体をともなうはつり工法の特徴
はつり工法は、古い枠をすべて撤去してから新しい引き戸を取り付ける方法です。枠周りの壁や床を切断・補修する必要があるため、工期は2〜3日程度かかることが多く、騒音や作業スペースも考慮が必要になります。開口幅を広く確保しやすいため、大きめの引き戸を希望する場合には、この方法が適しています。
引き戸玄関のリフォームで気をつけたいポイント

玄関を引き戸に変える前に、注意しておきたい点がいくつかあります。事前に知っておくことで、施工後のトラブルを防ぎやすくなります。
防犯性への配慮が必要
引き戸はガラス面が広いデザインが多く、鍵の構造もシンプルなものがあるため、防犯性に不安を感じるケースがあります。従来の引き戸では、ピッキングやガラス破りといった侵入リスクが指摘されているため、防犯性能を高めるにはピッキングに強いディンプルキーや、2〜3箇所にロックを設けた製品の採用が効果的です。
また、ツマミを取り外せるサムターン付きの錠前を使えば、ガラスを破られた際の解錠リスクも抑えられます。引き戸玄関ドアを選定する際には、防犯性能の高い製品を選ぶようにしましょう。
見えない部分の調整が工事に含まれているとは限らない
引き戸を新しく交換する場合、戸車は基本的に新品のものが製品にあらかじめ組み込まれています。ただし、引き戸のスムーズな開閉は本体だけでなく、敷居や建物の枠の状態にも大きく左右されます。敷居に汚れが溜まっていたり、建物にわずかな歪みがあると、せっかく新品の引き戸を取り付けても動きが重く感じられることがあるのです。
このような調整やクリーニングが、すべての業者で自動的に施工に含まれているわけではありません。カバー工法の場合は特に、建物側に手を加えないのが基本とされるため、見積もりに明記されていないと対応してもらえない可能性もあります。施工前の打ち合わせでは、引き戸の開閉が快適になるよう、敷居の清掃や建付けの調整が含まれているかをしっかり確認しておくことが重要です。
気密性が十分でないケースがある
引き戸は構造上どうしても隙間ができやすいため、断熱や気密性に劣ると感じる場合があります。断熱仕様の製品や高性能なパッキンが使われているタイプを選ぶことで、外気の侵入を抑えることが可能です。製品のスペック表に記載されている熱貫流率や、建具の断熱材構造に注目して選ぶとよいでしょう。
人気メーカー製品の特徴を比較

引き戸へのリフォームでは、どのメーカーの製品を選ぶかも重要なポイントです。国内で人気の高いLIXILとYKKAPの製品は、断熱性・防犯性・デザイン性の面でそれぞれに特徴があります。
LIXILの玄関引き戸シリーズの特徴
LIXILの引き戸には、リシェントシリーズがあり、さまざまな住宅スタイルに対応したデザインが揃っています。木目調のカラー展開やバーハンドルなど、外観の印象にこだわりたい方にもおすすめです。複層ガラスやLow-Eガラスの採用により、断熱性にも配慮されています。
カードキーやリモコンキーの便利な機能
LIXILの電子錠では、カードキーやタグキー、リモコンキーといった便利な操作方法が選べます。荷物で両手がふさがっているときでもボタンひとつで解錠ができ、日々のストレス軽減につながります。
YKKAPのリフォーム用引き戸の注目ポイント
YKKAPの玄関引き戸「ドアリモ」シリーズは、全面ガラス構造のモデルが特徴的です。格子付き網戸や選べるカラー展開もあり、性能とデザインのバランスが取れた製品となっています。断熱性に優れ、室内に自然光を取り込む設計が魅力です。
【まとめ】玄関の引き戸ドアリフォームで暮らしを快適にしよう
玄関引き戸のリフォームは、外観の印象を変えるだけでなく、防犯性や断熱性の向上にもつながる重要な工事です。費用の目安や施工方法、製品の特徴を把握した上で、自分の住まいに合ったドアを選びましょう。
断熱性能を高めたい、開け閉めを楽にしたい、玄関をもっとおしゃれにしたいと考えている方にとって、引き戸へのリフォームは有効な選択肢となります。奈良県、大阪府南部、三重県西部などで玄関まわりの工事を検討中の方は、ぜひ株式会社関西工務店へご相談ください。地域密着の施工体制で、快適な住まいづくりをサポートいたします。
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